gmt coast は海岸線を描くためのコマンドです。
GMT5までは、gmt pscoast というコマンドでした。
地図を描く際は必須となるコマンドでしょう。
gmt coast -D[f|h|i|l|c] -W[線の太さ] [-G] [-S] [-L] [-C]
ベースとなる図
今回はこちらの図を基に海岸線などを描いていきます。
#!/bin/bash
gmt begin plot png
gmt basemap -JM12 -R139/149/41/46 -Bafg -BWSNE
gmt end
海岸線を描く
gmt coast -D[f|h|i|l|c] -W[線の太さ] [-G【陸の色】] [-S【水域の色】] [-L【x|g|j|J|n】] [-C【湖・川の色】] [-I【描画する川の範囲】] [-N【描画する国境】] etc..
※ -Gを指定しない場合、陸は「塗りつぶさない」。
※ -Sを指定しない場合、水域は「塗りつぶさない」。
※ -Cを指定しない場合、湖や川は「塗りつぶさない」。
※ -Nを指定しない場合、国境は「描画しない」。
※ -Iを指定しない場合、川は「描画しない」。
とりあえず、これくらい覚えれば大丈夫です。
たとえば、先ほどの地図の枠に海岸線を描くには、
#!/bin/bash
gmt begin plot png
gmt basemap -JM12 -R139/149/41/46 -Bafg -BWSNE
gmt coast -Df -W0.25
gmt end
とすれば、この結果が、
となります。
海岸線の種類 (-D)
GMTでは海岸線の細かさを5段階から選べます。
細かいものから順番に、Df → Dh → Di → Dl → Dcの順番となります。
- Df
2.Dh
3.Di
4.Dl
5.Dc
色を塗りつぶす (-G, -S, -C)
たとえば、陸を黄緑色、水域を水色で塗りつぶすならば、
#!/bin/bash
gmt begin plot png
gmt basemap -JM12 -R139/149/41/46 -Bafg -BWSNE
gmt coast -Df -W0.25 -Glightgreen -Slightblue
gmt end
となり、この結果が、
となる。湖沼などの場合も同じ用法。
指定できる色の名前は下記参照
川を描く (-I)
0 = Double-lined rivers (river-lakes)
1 = Permanent major rivers
2 = Additional major rivers
3 = Additional rivers
4 = Minor rivers
5 = Intermittent rivers – major
6 = Intermittent rivers – additional
7 = Intermittent rivers – minor
8 = Major canals
9 = Minor canals
10 = Irrigation canals
a = All rivers and canals (0-10)
A = All rivers and canals except river-lakes (1-10)
r = All permanent rivers (0-4)
R = All permanent rivers except river-lakes (1-4)
i = All intermittent rivers (5-7)
c = All canals (8-10)
どの川がどれに分類されているかは、CIA World Data Bank IIによる。
国境を描く (-N)
1 = 国境
2 = 米国の州境界
3 = 海上に存在する国境
a = 全ての境界 (1-3)
#!/bin/bash
gmt begin plot png
gmt basemap -JM12 -R139/149/41/46 -Bafg -BWSNE
gmt coast -Df -W0.25 -Glightgreen -Slightblue -Na
gmt end
この結果が、
である。ロシア~北海道には国境データが設定されていない。
スケールを描く (-L)
-L[x|g|j|J|n][座標]+c[基準となる緯度]+w[長さ][+f][+l”label”]
※ ” +f “とすると装飾されたスケールとなる
スケールを置く位置は、gmt colorbar の-Dオプションとほぼ同じく4種類から選べる。
- 地図座標 (-Dg)
- 図の左下を原点とした長さで指定 (-Dx)
- 位置コード (-Dj/-DJ)
- 相対的位置 (-Dn)
地図の座標で決める (-Lg)
-Lg[経度]/[緯度]+c[基準となる緯度]+w[長さ][+f][+l”label”]
※ スケールの長さの単位は[km]。
※ ” +f “とすると装飾されたスケールとなる。
たとえば北緯40度・東経148度の位置に200kmの装飾されたスケールを置くには、
#!/bin/bash
gmt begin plot png
gmt basemap -JM12 -R139/149/41/46 -Bafg -BWSNE
gmt coast -Df -W0.25 -Glightgreen -Slightblue -Lg148/40+c41+w200+f
gmt end
とすると、この結果が、
となる。
図の原点からの距離で決める (-Lx)
-Lx[X座標]/[Y座標]+c[基準となる緯度]+w[長さ][+f][+l”label”]
※ スケールの長さの単位は[km]。
※ ” +f “とすると装飾されたスケールとなる。
たとえば、図の左下から右に11cm, 下に1cmの位置に200kmの単純なスケールを置くには、
#!/bin/bash
gmt begin plot png
gmt basemap -JM12 -R139/149/41/46 -Bafg -BWSNE
gmt coast -Df -W0.25 -Glightgreen -Slightblue -Lx11/-1+c41+w200
gmt end
とすると、この結果が、
となる。
位置コードで指定する (-Lj / -LJ)
-Lj[位置コード]+c[基準となる緯度]+w[長さ][+j[位置コード]][+o Xオフセット/Yオフセット][+l”label”]
※ スケールは図の内側に表示される
※ 位置コードは[T|M|B]+[L|C|R]を組み合わせること。(左下はBL,上部中央はTC等)
※ “+j”は-Ljにて指定した位置に、スケールのどの場所を置くかを指定する。
※ スケールの長さの単位は[km]。
※ ” +f “とすると装飾されたスケールとなる。
-LJ[位置コード]+c[基準となる緯度]+w[タテの長さ/ヨコの長さ][+j[位置コード]][+o Xオフセット/Yオフセット][+l”label”]
※ スケールは図の外側に表示される
※ 位置コードは[T|M|B]+[L|C|R]を組み合わせること。(左下はBL,上部中央はTC等)
※ “+j”は-LJにて指定した位置に、スケールのどの場所を置くかを指定する。
※ スケールの長さの単位は[km]。
※ ” +f “とすると装飾されたスケールとなる。
位置コードは使いこなせると便利です。
たとえば、
先ほどの図と同じような構図にするには、
#!/bin/bash
gmt begin plot png
gmt basemap -JM12 -R139/149/41/46 -Bafg -BWSNE
gmt coast -Df -W0.25 -Glightgreen -Slightblue -LjBR+c41+w200+jBR+o0/-1+f
gmt end
とすると、
となります。
コメント