SACとはIRIS(Incorporated Research Institutions for Seismology)が提供する、地震波解析ソフトです。
ダウンロードをするには、IRISによる承認が必要です。詳細は公式ページをご覧ください。
インストール
一般的なソフトと同じく configure → make で行けます。
Ubuntu20.04の場合は、
#!/bin/bash
sudo apt -y install libncurses-dev libedit-dev libxml2-dev
sudo ./configure --prefix=/usr/local/sac
sudo make -j4
sudo make install
で行けます。
WIN・WIN32形式との互換性
ここからが本題です。
防災科学技術研究所にて入手したデータをSACに読み込ませるには、ちょっとした手間がかかります。
人力で頑張る
防災科学技術研究所からデータを入手する
適当にHi-netの波形を入手します。今回は熊本地震の波形を入手してみよう。
HinetPyなら、
from HinetPy import Client, win32
client = Client("username", "password")
client.select_stations('0101', minlatitude=27, maxlatitude=35, minlongitude=128, maxlongitude=133)
data, ctable = client.get_continuous_waveform("0101", "201604160125", 5)
で入手できます。簡単。
完了すると、0101_201604160125_5.cnt と 0101_20160416.ch が保存されているはずです。
win.prmを作成する
何も考えずに、以下のファイルをwin.prmという名前で作成してください。
お作法です。
.
0101_20160416.ch
.
.
チャンネル番号を取得する
自分がSAC形式に変換したい観測点のチャンネル番号を調べます。
0101_20200101.chを開くとチャンネル番号が記載されているはずです。
もし、複数の観測点の波形をSAC形式に変換したければ、
1111
1112
1113
といった観測点番号をまとめたファイルを作成してもOKです。
変換する
win2sac_32 [WIN・WIN32ファイル] [チャンネル番号・チャンネル番号が書かれたファイル] [ファイル名に付ける接尾辞]
SAC形式に変換します。
win2sac_32 0101_201604160125_5.cnt [チャンネル番号] SAC
これでSAC形式の波形データが作成されているはずです。
HinetPyで変換する
後からこの機能を知りました。
HinetPy.win32.extract_sacで行けるそうです。
すなわち、
from HinetPy import Client, win32
# client = Client("username", "password")
# client.select_stations('0101', minlatitude=27, maxlatitude=35, minlongitude=128, maxlongitude=133)
# data, ctable = client.get_continuous_waveform("0101", "201604160125", 5)
win32.extract_sac("0101_201604160125_5.cnt", "0101_20160416.ch", with_pz=True)
これで変換できます。簡単。
震源データを追加する
win2sacやHinetPyで変換・取得した波形データには震源データがヘッダに記載されていません。
PasteUpなどをする場合は、震源データをヘッダに書き込みます。
熊本地震は、
- 北緯32.741667度
- 東経130.808333
- 深さ11km
で起きたので、
sac
r *SAC
ch EVLA 32.741667
ch EVLO 130.808333
ch EVDP 11
とします。これで変換完了です。
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